家柄より本人の調査が増加
結婚相手の身元調査は、昭和時代までは盛んにおこなわれていました。
差別につながる調査が違法化されてから、相手の家柄などを調べる調査は激減しました。
一方、結婚相手本人の経歴・素行調査の依頼は増えています。
こうしたトレンドも併せて、結婚調査についてご紹介します。
従来の結婚調査
従来の結婚調査(婚前調査、結婚前信用調査)は、結婚相手当人よりも家族的背景に重点が置かれていました。
- 実家や本籍地の情報
- 家族の職業や実家の商売の様子
- 親子仲・兄弟仲
- 近所の評判
以上は代表的な調査項目ですが、本音ではもっと大きなポイントがありました。
「被差別部落出身や在日ではないか?」「家族の病気や障害の有無」などです。
昔は第三者が戸籍情報を取得するのも容易で、こうした調査が比較的低コストでできました。
昭和以前はこの種の調査が、一般庶民の間でもかなり普通に行われていました。
差別につながる調査の違法化
近年になって差別につながる身元調査が問題視され、2007年施行の探偵業法でもその種の調査が禁止されました。
第三者の戸籍閲覧は禁止され、個人情報の漏洩も厳しく罰せられるようになりました。
そのため、相手の実家の情報の合法的な入手手段は聞き込み等しかなくなり、調査は以前より手間とコストがかかるものになっています。
そしてもちろん、被差別地区出身か、などの差別につながる内容は調査してもらえません。
それでも実家に関する調査をするというのは、今では主に名家・資産家などだけになってしまいました。
相手本人の調査の増加
代わって増えてきているのが、結婚相手当人の経歴や素行に関する調査です。
業界最大手の原一探偵事務所によると「渋谷のIT企業勤務の高給取りらしいが、実態がわからないので調べてほしい」という相談が異常に多いそうです。
背景にはSNSや出会い系サイトなどで、バックグラウンドのわからない人と恋愛関係になるケースが増えていることもあるのでしょう。
学歴や職歴、勤務先などを白紙から調べるのは大変ですが、相手の言い分の真偽を確認するだけなら簡単です。
素行調査は、尾行して写真記録を取るという、浮気調査と同じ手法(=行動調査)で、探偵社のお家芸です。
行動調査で発覚する問題事実の例
- 他の女性と交際あるいは同棲している
- ギャンブル場に入り浸っている
- 消費者金融への出入りが多い
- 新興宗教の集会に参加している
- 怪しげな輩と交友している
聞き込みという手法も合法です。
聞き込みで発覚する問題事実の例
- 前妻と争いが絶えず、近所が迷惑していた
- DV常習者で前の同棲相手は救急搬送されたことがある
- 酒に酔うと人が変わり、暴れる
- 連れ子がいるが、虐待の噂がある
- 近所の住人に嫌がらせをしていた
- 職場で不祥事を起こして退職した
犯罪歴を調べるのは違法ですが、報道された犯罪の場合、検索して調べるのは合法です。
負債額を調べるのは違法ですが、サラ金への出入りが多ければ推測がつきます。
怪しいと思ったら調査を!
結婚調査については否定的な人も増えているのは事実です。
差別を助長するとか、卑怯だといった捉え方です。
例えば娘・息子の結婚相手に対して調査をかけたことが発覚すれば、娘・息子と相手・その家族の双方を激怒させる危険もあります。
だから、特に問題がなさそうな場合まであら捜しをする必要はないでしょう。
しかし、「怪しい」とか「絶対におかしい」と思う時は、やはり調査すべきだと思うのです。
問題人物との結婚で発生する損害
- DV被害に遭う
- 働かず、ギャンブル漬けで苦労させられる
- 離婚し、経済的損失(結婚費用や新居費用)を精神的ダメージを負う
- シングルマザーになってしまう
- 連帯保証人にされ、借金を肩代わりする羽目になる
問題の大きい人物は普段の行動が問題だらけですから、ちょっと尾行と聞き込みをかけたら、すぐわかるのです。
重大な危険が予想される時にその程度の安全策を取らない方がおかしいと思います。
そして、調査の結果がシロだったら、調査したことは誰にも言わず、当人たちの幸せを見守ればいいのです。